アスペルガー症候群にまつわる有名人のエピソード
アスペルガー症候群と向き合っている女性
アズ直子さんという方のエピソードを紹介しましょう。
この女性は、「ADD(注意欠陥障害)の傾向の強いアスペルガー症候群」とはっきり公表し、自身の特性とうまくつき合いながら経営者として活躍する一方、妻・母としても生活する立場から情報発信されている方です。
この方の著作の中に、アスペルガー症候群の子供がどのような心境で学校生活を送っているのか描いた場面がありますので、少し紹介しましょう。
小学生のときの自分にかけたい言葉
アズ直子さんが講演でとある学校を訪れたときのこと。校舎に入ると独特の学校の雰囲気から、小学生であった当時の自分を思い出されたそうです。
その当時、私は学校にいることが辛くてたまらなかった。
遅刻をしている私、忘れ物をしている私、おもらしをしている私、友達に笑われている私、友達にひどいことを言っている私、そして嫌われている私、ひどい頭痛に机に突っ伏している私……。
(中略)
6歳の私は、その他次々と感じてしまう、不自由なことや、生きづらさをうまく言葉にもできませんでした。
出典:『ずっと生きづらかった私だからこそわかる アスペルガーの子の「本当の気持ち」(大和出版)』
ご本人が訳も分からず「生きづらさ」を感じていた日常がよく表現されています。
詳しくは出典に示した書籍をご覧いただくとして、そのあとに続く内容をざっと紹介すれば、うまくできないことについて、「ちゃんとしなさい」と言われても、その「ちゃんと」が分からなかったそうです。でも、具体的に「ちゃんと」の内容を教えてもらえられたら、ちゃんとやれたことがたくさんあったとのこと。
周りの大人がその原因に思いをはせてサポートできれば、解決できることがたくさんあるということを分かりやすく示しているのではないでしょうか。