イチローに噂されているアスペルガー症候群的憶測について
引退を発表したイチロー選手の記者会見動画
先日(2019年3月22日)に引退を発表したイチロー選手ですが、アスペルガー症候群ではないかと噂されているようです。
記者会見の中でも、アスペルガーっぽい言動があったようです。
※共同ニュースの公開動画(YouTube)より
果たして、イチロー選手はアスペルガー症候群なのでしょうか?
この記事で検証したいと思います。
いたずらにアスペルガー症候群を疑うべきではない
まず、イチロー選手がアスペルガー症候群であるかどうかを判断できるような情報は、公表されていないようです。
周辺情報だけでいくら推測しても正確なことはわかりません。
インターネットで見られるアスペルガー症候群関連の情報にイチロー選手の名前が挙がるのは、イチロー選手のふるまいや考え方のいくつかが、アスペルガー症候群の特徴と混同されているからでしょう。
これ自体はあまり好ましいことではないとはいえ、アスペルガー症候群が広く知られていくにつれて、良い方向にだけ理解が深まるわけではないことを示しているともいえます。
毎朝カレーを食べることにこだわったり、マスコミ対応がときに冷淡に見えるなど、強いこだりや必ずしも馴れ合いを良しとしない部分が混同されている理由なのかもしれません。
発達障害の診断は難しい
そもそも、発達障害は診断基準の難しい障害です。
診断名の分類も複雑で、発達障害の中に、自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)や学習障害、注意欠陥・多動性障害などが含まれます。
その中の自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)から連続的に分かれていくのが、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害です。
ともすれば、「発達障害」と公表しているだけなのに、アスペルガー症候群であるとされたり、学習障害と述べているにもかかわらずアスペルガー症候群とされていたりする情報もあります。
こだわりの強い性格や、発言の一部からアスペルガー症候群であると判断するのはもっての他です。
診断基準の難しい障害であることを理解し、いたずらなラベル付けではなく、障害に悩む人にとって何をしてあげられるのかを考えることが大切です。